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≪人妻ユイの不倫文化論≫“不倫ソング”を聴く心理とは

  • 2015年06月17日  仮屋園 ユイ   



    巷に溢れる恋の歌。日々新たな楽曲が世に配信され、わたしたちはその時々の自分の心情にマッチする曲を好んで聴きますよね。

    音楽はわたしたちに勇気を与えてくれたり、励ましてくれたり、癒してくれたり…様々な心理効果をもたらしてくれるのですが、歌詞を読み解くと「これって不倫の曲だよね?!」というものも多くあります。

    不倫ソングを好んで聴く、その理由について考えてみました。

     

    【“許されない感”を最大限に味わうことが可能】

    不倫は、言わずとも知れた“許されない恋”です。パートナーがいながら他の異性と心や体を通わせるんですから、たくさんの人を傷つけることになってしまう恐ろしい恋の病。でも、そんな“許されない感”が不倫の醍醐味でもあるんですよね。「この人のことを好きになってはいけないのに…」とか、「この人をもうこれ以上気にしてはいけない…」といったように自分の気持ちをなんとか抑えるために、不倫ソングを聴いて心を落ち着かせるという感覚です。普通であれば、止まらなくても良い恋心。でも不倫に関しては、止まるべきところで止まっておかなければ自分の身を滅ぼしてしまいます。不倫ソングを聴くことによって“許されない感”を最大限に味わい、あたかも自分自身が許されない恋に落ちてしまった悲劇のヒロインかのような感覚になり酔ってしまうことが出来てしまうんです。

    不倫には、大きく分けて2種類の立場があります。“待たせる側”と“待たされる側”です。自分が未婚で、好きになった相手が既婚者であった場合は完全に“待たされる側”。比較的自由が利く相手を振り回したりしてしまうのが“待たせる側”となります。これと同じように、不倫ソングもどちらかの立場で歌われていることが多いので、歌詞を読みこむことで自分にピッタリの境遇の曲を見つけることが出来ます。わたしの数少ない不倫肯定派の女友達のiphoneは、超大型ダンスヴォーカルユニットの曲でいっぱいになっています。切ない曲が多いなぁ…とは思っていましたが、友達に言われて歌詞をしっかり読んだら「これ絶対不倫の曲じゃん!」というのが多いんですよね。自分の境遇に曲を重ね合わせて、今の状況に少し酔ってみることが出来るので、不倫している人は結構不倫ソングを好んで聴くんです。

     

    【普通の恋より切ない不倫。切なさを埋めたい欲求】

    不倫では、会いたいと思ったときに会えることなんてめったにありません。ケンカをしても、会ってしっかり話し合ってケンカを収めることさえままならない恋が不倫です。普通の恋よりも苦しく、切ない恋といえるでしょう。そんな気持ちを埋めるのも不倫ソングの大きな役目です。人って、仲間が欲しい生き物だと思うんですよね。だから、自分と似たような境遇にいる人に対して親近感がわきますし、自分の考えていることと違った思想の人を敵対視してしまったりします。「わたし、○○さんのこと好きになっちゃった。」なんて恋バナをして、人に話すともっと好きという気持ちが加速して…というように、恋愛を楽しむ部分ではとにかく“人に言えない恋”ってツライんですよ。ツラいなら、そんな許されない恋をしなければいいのに…と言われてしまいそうですが、人を好きになってしまうことって止められないんです。気が付いたら、好きになってしまっていた…その相手が、もうパートナーがいる人だった、という風に避けられず不倫関係になる人だって存在しますよね。

    そんな不倫でのツラさを埋めて、あたかも曲の中に自分と同じ境遇の仲間を見つけるような感覚が不倫ソングを聴くことによって得られます。不倫しちゃってる自分と同じ考え方だ、同じ苦しみを知っているんだ、と歌詞に共感し、同じように苦しい思いをしている人が側にいるような感覚になるんです。自分の友人知人に簡単には言えない恋心、不倫ソングなら自分の苦しみを飲み込んでくれて、癒してくれて、励ましてくれる…不倫をしている人にとって、甘く切ない不倫の歌は心の支えです。

     

    【知られたら大変。でも感づいて欲しい気も…】

    間違って世間に不倫をしていることがバレてしまっては大変なことになってしまいます。自分の社会的評価を下げたくはないですし、人間としての根本の信頼を崩したくもありませんよね。でも、不倫にどっぷりハマってしまうと「バレたらどんな風になるかな…」という興味が湧いてきます。今、この不倫関係がバレたら周りはどうなるだろう…と悪い虫が騒ぐのです。こういった感情は、先程お話しした“待たせる側”には無く、“待たされる側”に生まれやすいです。

    待たされっぱなしで、焦らされっぱなし…もうこんな生活御免だ、となにもかもカミングアウトして今を壊したくなるんです。そういう時に、友人知人とカラオケに行ったら不倫ソングばかりを歌ったりします。ワケありの歌詞の曲ばかりを選曲して、「あれ、なにかツラい恋でもしてるの?」と周りの興味を惹くんです。そうすれば、不倫をバラさずともツラい恋をしていることを感じてもらうことが出来、少しだけ肩の荷がおりるんですよ。