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≪人妻ユイの不倫文化論≫レシート一枚でバレて終わった悲しい恋

  • 2014年09月24日  仮屋園 ユイ   



    これは私がまだ独身だった頃…まだ、異性とのお付き合いもロクに経験の無かった時代に、奥さんのいる男性と本気でお付き合いをした時の話です。始まりは突然に、そして終わりは必然的に訪れました。終わりを告げることになった理由として“一枚のレシート”があります。私にとっては女性のシックスセンスの恐ろしさを知る良い機会であり、苦い思い出です。

     

    【気付かぬうちに、彼と始まった恋】

    一言で彼を言い表すとズバリ“寛容”な人。彼は職場の上司だったのですが、仕事が出来ると言われる割に、やる気満々というようには見えない…どこか、彼の中の“本気”を職場では見ることが出来なかったことを覚えています。とある日の職場の飲み会帰り、「タバコを買ってきて」とベテラン女性社員から頼まれ、新入社員だったわたしは、自分が吸いもしないタバコを買いに行かされました。そのとき、なぜか一緒についてきてくれたのが、彼でした。隅で楽しそうに飲んでいたはずの彼が、ベテラン女性社員に軽くいじめられていた私を気にかけてくれたのです。その視野の広さと心の穏やかさを知って「この人、素敵だな」と思い、心惹かれていきました。そこから恋仲になるのはあっという間。でも、デートを重ねていくうちに、なにか違和感を感じたんですよね。“この人には、余裕がありすぎる”と。その余裕のワケは、“奥さんがいること”でした。大概、若いうちの恋愛なんて自分の気持ちを相手に押し付けて、理解を強要させ…傷つけ傷つけられるような付き合いばかりだと思っていました。でも彼は違いました。相手は相手、自分は自分。それぞれに事情があることをわかった上で話をする。仕事もガツガツしない。急がなくとも必要なら出世はしていく…他人をわざわざ蹴落として自分を良く見せようとは思わない…そんな寛容な心の持ち主が、わたしにとってとても新鮮で心地が良かったんです。

     

    【会うために、嘘を重ねる日々】

    彼の余裕感が、家庭を持っているからと気付いてから、とにかく“隠さなきゃ”と思いデートの約束をする時点でどういう設定で嘘をついて、奥さんに怪しまれないようにするか…を考えるようになりました。当時のわたしにとって不倫は、それこそドラマの中だけというように非日常、超絶に珍しく不謹慎な恋愛だという観念がありましたから…。今でこそ実際のところは、不倫ってあちこちにたくさん転がっているということを知ったんですけどね。とにかく自由の効かない恋でした。だからこそ、燃えましたし真剣でした。ほんの一瞬でも奥さんよりわたしのことを考えてもらえるように…その一瞬が一時になり、更に長い時間彼をわたしに留めておきたくなって、一生懸命愛しましたし尽くしました。外を出歩くときは、職場の人に見られてもいけないですから、彼は、帽子をかぶったりして若干の変装をし、わたしは普段と違うテイストの化粧をしてカモフラージュしました。外でのデートでは絶対に手を繋がない、大きな声で話さない、触れたくても触れない…その決まりをきっちり守って、2人きりになった時に思いっきり甘える…そんなデートばかりだったので、どうしても彼を1日独り占めしたくなってしまいました。そこで、奥さんには“仕事で泊りになるから”という嘘をついて、初めてわたしの借りているアパートにお泊りしてもらいました。一緒にスーパーに買い出しに行って、2人でわたしの家で鍋パーティーをしたんです。一緒に料理をして、一緒に食べて片づけて…そのプチ同棲感がたまらなく楽しくて、毎日こうだったらいいのにと思って泣いたことを今でも鮮明に覚えています。

     

    【レシート1枚で崩れていく関係】

    楽しかった1日の後、久々に職場の飲み会が開催されました。彼も一緒です。ですが、飲み会の途中で彼は席を立ち「今日、お先に失礼します。」と挨拶をし始めました。不思議に思って彼を追ってお店の外に出ていくと、黒いワゴンが1台。運転席には、綺麗な女性。あぁ、これが現実なんだなとその時にやっと感じることが出来ました。そういえば最近、メールも電話も前よりめっきり少なくなってしまっていたなぁと思い、なんだか急に怖くなってきました。後日、職場の給湯室で彼に聞くとやはり“不倫がバレた”というのです。事の発端は、あのお泊りした日に行った買い出しでのレシート。最近妙に帰りが遅くなったな…と感じていたところに“泊り”で家に帰らない日が訪れたことで不信感が一気に高まったのでしょう。お泊り明けの日に彼がお風呂に入っている間に、彼の財布を奥さんがチェックしたそうです。会社に泊まる日のはずなのに、野菜や肉、鍋スープとお酒を購入しているなんておかしい…と。それは、気付きますよね。今不倫の事実を全て認めて話せば、今回のことは許すし不倫相手の女性を訴えたりはしない、そう言われて彼は全てを奥さんに話したそうです。まさか、レシート1枚からあの楽しかった日々が全て崩れてしまうとは…自分でも思ってもみなかったです。不倫初心者、ツメが甘すぎたとしか言いようがありません。そして悔やまれてなりません。そのくらい、彼は魅力的な男性だったからです。

     

    【考えておけば良かったリスク】

    今思えば、一緒に買い出しに行くこともかなりリスキーだったと思います。自宅の側のスーパーで、周りの目を気にすることなく生活感たっぷりのものを購入するなんて危険すぎましたね。そして、わたしは当時“夫婦がパートナーの財布の中をチェックする”という行為をするなんて考えられませんでした。必要になれば遠慮なく携帯チェック、財布チェック…妻、いや、女のシックスセンスというのは本当にあるのだと思います。女性には本気で警戒しないといけないな、そう学んだ淡く悲しい恋でした。