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≪人妻ユイの不倫文化論≫一緒になりたいと思えた不倫相手

  • 2016年05月04日  仮屋園 ユイ   



    不倫は不毛な恋だと知っています。それでもいいから心の隙間を埋めるため、毎日愛しい相手に会いに行くのですが、そんな現実を忘れたくなるような“一緒になりたい”と本気で思えた相手とつい最近お別れを選びました。この人と一緒になれたらどんなに幸せか…そう感じ、別れてからも心のポッカリ穴が開いてしまった筆者。今回は、そんな不倫相手との熱い交際の内容をお話ししていこうと思います。

     

    【望みをかなえたい。献身的な愛を受けて】

    出会い系サイトでコメントを書きあっていたのが、彼との関係の始まりでした。はじめは、なんてことのない些細な会話。それがだんだんとお互いの日常を暴露していくようになりました。仕事が忙しいとか、奥さんとうまくいかないだとか、娘が反抗期だとか…彼が家庭の話を包み隠さずしてくれるので、わたしも自分の話を積極的に話すようになりました。一度会わないかという話になり、電話番号を交換して、いつどこで会うかを相談しました。

    彼と約束したのは、郊外にある喫茶店。知る人ぞ、の雰囲気が素敵なレトロな場所でした。いかにも仕事、なスーツに身を包み緊張した面持ちの男性が一人。きっとあれが彼だとすぐにわかりました。挨拶を交わし、一緒にパスタを頼んで会話を楽しみました。聞けば奥さんは彼が要らないほどなんでも自分でやってしまうようなしっかり者。家のことも完璧で、育児もバッチリ、仕事も彼よりも稼ぎがよく、立ち場がなくて息苦しいと感じた時に出会い系サイトでなにかいい出会いでもないかな…と思い登録をしたんだとか。

    「僕を頼りにしてくれるような、女性と出会って恋がしたくて。」出来すぎる女性を奥さんにする男性の苦悩を知る機会になりました。そして「わたしでよければそういう存在にしてみませんか?」と不倫関係に誘い出したのです。

     

    【車で3時間。それでも会いに来てくれる】

    聞けば彼の自宅からわたしに自宅までは車で3時間。高速道路を使っても1時間半はかかるような距離でした。それでも、寂しい夜や主人のいない自由な夜になると彼は車を走らせて会いに来てくれました。「会いに来い」とは決して言わずに「会いに行くから待ってて」と言ってくれる彼の包容力と献身的な姿勢にキュンとしていまいた。男性側から“愛される”ことや“尽くしてもらえること”がこんなにも心地良いものなんだなぁ…と噛みしめながら、彼との付き合いを続けました。

    わたしの主人はそんなわたしに気づくこともなく、いつも通りに会話もほとんどなくただの同居人と化しています。仮面夫婦も問題ですが、完璧すぎて隙間のない家庭も息苦しいんだよな…と彼のいうことを考えながら過ごしたりもします。主人から貰えない愛を、彼から貰って心を満たして、わたしの毎日が満ち足りたものになっていく実感を得ていました。

     

    【記念日には花を…彼の愛が深すぎて】

    彼は、出会い系サイトを通じて、わたしとやり取りを始めた日を記念日といいます。初めて喫茶店で待ち合わせをしてお茶をした日のことも記念日といいます。頼んでもいないのに会いに来て、お花を買ってきてくれます。家にもって帰りにくいだろうと、小さな花束を渡してきて、「家に帰るときは、ご主人にバレたら困るから捨てて行ってね」と言いました。段々と彼からの愛が嬉し過ぎて、彼から貰う花を捨てて帰るのが辛くなってきてしまいました。この花が萎れてしまうまで、ずっと傍においておきたいのに…と、彼と会って別れて自宅に帰るときが辛くて仕方なくなってきてしまったんです。

    深い愛は、通常であれば相手を満たして癒し、時に励まして強くしてくれることでしょう。でも、彼からの愛は私をどんどん弱くしていきました。甘える相手が出来たことは幸せでしたが、毎日頑張ることがつらくなってきてしまったんです。わたしにとってあくまでも、不倫は心の隙間を埋める行為。今をすべて投げ売ってまで、彼との愛に突き進むことは破滅を意味しています。彼への“好き”が止まらないなら、もう関係を断つしかない…そう思って、彼に相談をしました。

     

    【別れはしても、忘れやしない】

    彼は「会う頻度を減らしてもいい」とか「連絡とる回数を減らしてもいいから別れたくない」と言ってくれました。でも、それでは意味がなかったんです。彼の愛の心地よさを知った以上、時間をともにしていけば必ず現実から逃げたくなってしまうとわかっていたからです。本当に愛されて尽くしてもらえるような相手を人生のパートナーに選んでいたら、こんなに毎日が幸せだったのか…と思い、自分を悔いるようになりました。かといって、いまを投げ捨てて彼と一緒になろうとは思えません。卑怯な女だとわかっていながら、不倫という一言では済まないような相手に出会ってしまったことを喜ぶと同時に悲しみも得る結果になってしまいました。

    彼とはもう、連絡を取っていません。SNSで、どこで何をしているのかを調べることさえもしていません。彼の今を知ったら、きっとまた会いたくなってしまってつらいので、“ちょっとした隙間を埋める”ような手頃な出会いが新たにないかな…と、春の空の元考えているユイでした。