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★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その4★観覧車回れよ回れ…片想いの歌

  • 2014年01月30日  菱月 美琴  



    恋をしていた頃の音楽を聴く時、ふと、その当時の感情があざやかに蘇って来る事、ありますよね。

    短歌も同じで、大好きな恋の歌を読む時、当時の情景と共に片思いのせつなさが、じんわり心に湧いて来たりします。

    モヤモヤズキズキ、漠然とした恋心を、57577の短歌のリズムに乗せたら、少しは気が晴れるかも。明治時代から現代に時代を戻し、等身大の短歌を鑑賞してみましょう。 

     

    「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」
    (引用:栗木京子著『水惑星』より)

     

    @この短歌、こう読みます。

    「二人の初デート。観覧車よ、ずっと回っていて欲しい。(出来る事なら永遠に)。この恋の想い出は、君にはただの一日だろうけれど、私にとってはかけがえのない、一生の想い出なのです。」

    「思い出」を「想い出」と書き、平凡な感情ではない、自分にとって“特別な恋”である事を印象付ける短歌。

    「一日(ひとひ)」と「一生(ひとよ)」、たった一文字違うだけで、気が遠くなるくらいの時間の隔たりがあります。流れるような言葉のリズムも印象的で、上手いなあ〜、とつくづく思います。

    私は学生時代この短歌に出会いとても共感し、何となく苦手だった短歌の世界をごく身近に感じるようになりました。片思いのせつない恋心を呼び覚ましてくれる一首です。

     

    A栗木京子さんの略歴

    名古屋市出身、現代の女流歌人です。1954年生まれ、京都大学理学部生物物理科卒業。京都大学在学中にコスモスに入会。「二十歳の譜」で角川短歌賞次席。以降、数々の賞を受賞。

    現在は、短歌誌や新聞などで選者を務めている方です。

    二十代の頃は爽やかな青春歌、現在は理知的な日常詠・社会詠が注目されています。

     

    B気づいて!私の「とっておき」

    ある日、サークルの先輩に「バイト先で遊園地のチケットを貰ったから、一緒に行かない?」と誘われたA子さん。

    先輩はA子さんに対して「同大学の、同サークルの、同郷の、妹みたいな存在」という感情です。しかし、A子さんは大学に入った当初から、密かに気さくで趣味のいい先輩の事が大好きでした。

    「いいですよ〜」と、軽い感じに何食わぬ顔で返事を済ませ、心の中で小さくガッツポーズ、デート当日を心待ちにしています。やっと来た週末。

    朝からそわそわ、クローゼットの中の服を全部引っぱり出して、鏡の前であれこれ試します。ガンバッた感が出ないよう、いつもと同じ風だけれど、“私を一番可愛く見せるスタイリング”に、ギリギリとたましいを削ります。

    結局、小心者のA子さんは、右手の小指に小さなハート模様のネイルチップを忍ばせ、いつもと同じような服装で出掛けます。先輩はそんなA子さんに「やあ」と、いつも通りの様子。

     

    これは「兄妹」の遊びの一日なのでしょうか、それとも特別なデートの一日なのでしょうか。ドリンクを飲む時、小指を立ててみたり、笑う時さりげなくひらひらと口元に手をやったりしてみましたが、イマイチ先輩は“小指のキラキラハート”に気付かない模様。もしかしたらこの作戦は失敗でした。ちょっと地味過ぎました。

    背後ではカラフルな観覧車が、友人、カップル、親子等々、色々な人たちを乗せてぐるぐるぐるぐると絶え間なく回っています。人生みたいだな・・・A子さんは思います。

    それでも、大好きな先輩と、たった二人で来る事が出来た遊園地での想い出は特別。A子さんの心に深く刻まれました。

     

    B“想い”を言葉に乗せる。

    「言霊(ことだま)」という言葉があるように、発せられた言葉には魂が宿るもの。

    心のままに恋心を短い詩にしてみませんか? おまじないのような役割を持ち、恋の成就に一役買ってくれるかもしれません。

    たとえば俳句なら575なので、17文字です。季語を入れて作るごく一般的な(有季定型)と呼ばれる俳句の体裁もありますが、あえてこだわる事無く思いのたけを綴り、短い詩として楽しんでみませんか。5文字7文字の単語って、世の中にゴロゴロあるんです。今の気持ちにピッタリな言葉を、パズルのようにはめ込んで俳句にチャレンジしてみましょう。言葉に凝縮する事で “想い”の再発見や、自分と彼との関係性を第三者的角度から見てみる事が出来たり、ちょっと違った、切り口あざやかな恋の世界が広がるかもしれません。

     

    C恋の感度を磨こう。

    A子さんのような涙ぐましい例があるように、女の子たちは日々それぞれ、惜しみなく恋の努力を続けています。男性は感度のよいアンテナを持ち、ちょっとした変化に気付いてあげて下さい。そして、それなりの距離を取りつつ、「あ、髪切った?」や「その服いいじゃん」等々、さらっと言ってみましょう。

    しかし、これは苦手意識のある異性に言われると軽くセクハラ感があるので、普段の様子に心配りして、ある程度人間関係を築いてからがお勧めの小ワザです。

    心の感度を高めて、片思いから脱却したいですね。

     

    「ネイルにはハート気づいて遊園地」