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★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その9★プライドの高い女@ 清少納言

  • 2014年03月06日  菱月 美琴  



    プライドの高い女のひとって、大きく分けて2つのタイプがあると思います。グイグイと外に向かう「攻め系プライド女史」と、ひたすら内へ内へと熱をたぎらせる「マグマ系プライド女史」。平安時代に活躍した2人の相反する才媛の和歌から、その攻略法について考えてみたいと思います。まずは「攻め系」代表の清少納言から。

     

    「よをこめて鳥の空音ははかる共よにあふさかの関はゆるさじ」
    (引用:『小倉百人一首・62番』より)

     

    @この短歌、こう読みます。

    「夜明け前に、にせもののニワトリの鳴き真似をして関守を騙し、門を開かせようとしても、逢坂の関はそうやすやすと開かないでしょう。そのように、戯れに上手い事を言っても、私はあなたに逢いませんよ。」

    藤原行成とのやりとりの中の一つの歌です。ある夜、行成は清少納言と話し込んでいましたが、深夜に帰らなければならなくなり、その言い訳を翌朝書いて贈った所、清少納言は手紙の中の「鶏鳴」と『史記』の故事をふまえ、ぴしゃりと格好よく返しています。

    「逢う」は男女の関係を連想させる言葉ですので、大まかに言うと、「くどいて来たとしても、あなたとは友達どまりだから。それ以上は無いから」…と、そんな感じでしょうか。

    そう言いながらも、才人との機知に富んだ応酬を、たのしんでいる感じも見受けられます。

     

    A清少納言のこと。

    平安時代中期を代表する女流文学者です。(中古三十六歌仙の一人)。随筆『枕草子』の作者として知られています。祖父も父も和歌の名手です。最初の結婚で男の子を生みますが、離別。その後、一条天皇中宮定子に仕えます。明るくサッパリした性格で深い教養があり、美的な感覚も優れていた為、女房として後宮で大活躍しました。理知的な即興の和歌で、男性達を感嘆させました。一方、女性達からは嫉妬や反感を持たれていたようでした。(紫式部も痛烈な悪口を残しています。)

    定子没後は宮中を退き、藤原棟世の後妻になり、歌人の小馬命婦を産んだとされています。

    晩年については零落した等、様々な伝説が残っていますが、一部の女友達(和泉式部など)とは心通わせる手紙の往来もありました。

     

    Bデキる女を演じている。

    証券会社に勤めるOLのA子さん。28歳、独身彼氏無し。さっぱりした性格で思った事は何でも口にしてしまいますが、頭の回転が速く、話題も豊富で嫌味もないので、A子さんの周りには男友達が沢山居ました。上司に対しても自分の意見を堂々と言うので、一目置かれている存在です。

    面白く無いのは周りにいる女性陣。

    「A子って、知ったかぶりで偉そうだよね」

    「なんでもかんでも言いたい放題で、女性らしさってもんが無いよね」…等々、コソコソと陰口三昧の日々。

    A子さんは気にする様子もなく、毅然とした態度で明るく振舞っていました。

    同じ部署のBさんは、A子さんに憧れていましたが、同僚のように面白い事も言えず、内向的な性格の為、ただその様子を見ているばかりでした。

     

    ある土曜日。Bさんが調べ物をしに図書館へ行くと、A子さんの姿が。髪を一つにまとめメガネに地味な服装。いつもの華やかな印象とは随分違っていました。

    「こんにちは」。恐る恐るBさんはA子さんに声を掛けます。

    驚いたように見上げるA子さん。

    「あ、こんにちは」。と言ったものの、恥ずかしそうにそそくさと、その場を立ち去ってしまいました。

    その後も何度か図書館で会った二人は、少しずつ距離を縮め、ぽつりぽつりと世間話をするように。

    A子さんは、上の資格を目指して頑張っている事、仕事柄、男性にまじって働かなくてはならないので、認めてもらえるように人一倍勉強をしている事…などが解りました。

    会社以外のA子さんは、頑張り屋の普通の女の子でした。仕事場では多少背伸びをして「デキる女」を演じていたのかもしれません。

     

    C癒しを求めて。

    プライドの高い女のひとは、一見強そうに見えますが、結構、内面が繊細だったり、それ程自信が無い分、外見や言動で武装していたりします。

    清少納言の夫達は、彼女の周りにいた華やかな才人達とはかけ離れた、割と無骨な男性だったようです。

    軽口を叩きあったり、理知的な駆け引きの相手は伴侶に選ばず、夫には心の平穏を求めたのではないでしょうか。

     

    D競わずおおらかに受け止める。

    物は知っていた方がいいに決まっているし、外見もよいに越したことはありません。けれども世の中のカップルは様々で、とびっきりの美人に冴えない男性、その逆だって多々あります。

    恋した相手が「攻め系プライド女史」だったら、張り合って攻めては行かず、ふんわり受け止め、癒してあげて下さい。困っている時にそっと手を差し伸べてくれるような、さり気ない優しさが、彼女達には特に効果的です。

     

    「そばにいてくれる幸せ春の月」