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★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その13★贈り物…真心の伝え方 光孝天皇

  • 2014年04月03日  菱月 美琴  



    「心がこもっていれば、何でもうれしい」って、プレゼントをもらう時・あげる時によく聞く言葉です。だけど、この「心」っていうのが、何とも厄介で難しいですよね。

    お付き合いも進み、何か相手に贈り物をしようと思った時、どうすれば、相手に喜んでもらえるのでしょうか?

    光源氏のモデルの一人とも言われる、光孝天皇の歌から学びたいと思います。

     

    「君がため春の野に出て若菜つむわが衣手に雪は降りつゝ」
    (引用:『小倉百人一首・15番』より)

     

    @この短歌、こう読みます。

    「あなたの為に春の野に出て若菜を摘んでいる。その手に雪が降り続いている。」

    情景を淡々と詠みつつ、明るくて温かみのある歌です。「若菜」とは、春の七草の事で、食せば邪気を払い健康でいられると言われています。

    好きな人のために、早春の野原で若菜を摘み、その手は雪で濡れているという景色は、何とも美しく、真心が伝わってきます。

     

    A光孝天皇のこと。

    830年生まれ、日本の第58代天皇です。55歳の時に即位、58歳で崩御。

    政治的には恵まれず、皇子時代が長かったのですが、性格は謙虚で温厚、即位後は宮中行事の再興にも力を入れ、鷹狩などを復活させました。和歌や音楽の才能に秀で、好んで経史を読む、高い教養のある文化人でした。

    その人柄を伝える、いくつかの逸話が残っています。

    ・ある宴席で配膳係の間違いから、主人へ出す料理のひとつが足りなくなり、当時親王だった光孝天皇のお膳からそれを取り主人の膳に加えた。無礼な配膳係に怒る事も無く、照明を暗くして配膳係の落ち度をかばった。

    ・後継者決めの時、多くの親王が「自分が次の天皇になれるかも?!」と浮かれている所、光孝天皇は普段通り落ち着いていた。

    ・即位後も贅沢を嫌い、親王時代に自炊し黒くすすけてしまった部屋をそのまま残していた。(炊事をするのは身分の低い者だった時代、それはとても異例な事でした。)

    …などなど。中々の好男子ですね。

     

    B一本の缶コーヒー。

    ここの所、残業続きのA子さん。誕生日の今日も早くは帰れず、午前様になりそうです。同じフロアのBさんも最近残業しているようで、「ついでだから」と言っては、折にふれA子さんの仕事をさり気なく手伝ってくれていました。

    「A子さん、今日、誕生日なんだよね」。机に差し出された缶コーヒーとチョコレート。

    「今日は俺が残りやっておくから、早く帰りな」。はっと見上げれば、Bさんでした。

    先日、自販機コーナーでした、世間話を覚えてくれていたんだ…。

    ここの所のBさんの残業って、もしかして、私の事、気付かってくれてだったりして…? A子さんは何だかドキドキしていました。

    A子さんには付き合って5年の年上の恋人がいます。

    誕生日もクリスマスも何かの記念日も、「何が欲しい?」「これ」。というようなやり取りが慣習化しつつあり、ありがたい反面、何となくマンネリ感がありました。

    その恋人からは、誕生日プレゼントとして、欲しかったアクセサリーを前の休みに買ってもらっていました。

    同僚と恋人。数百円の小腹満たしと数万円のアクセサリー。

    天秤にかけるつもりはありませんが、Bさんの小さな贈り物は、残業続きのA子さんの心を、じんわり温かくしていました。

     

    C思いやりとリサーチ。

    「欲しいと言っていた物をあげたのに反応が薄い」「高価な物をあげたのに喜ばない」…って経験、ありませんか? 自分に置き換えてみて、単純にモノが欲しいだけなら、お金を貯めて買いますよね。

    「私の為に一生懸命考えてくれた」とか、「お金が無いのに精いっぱいの事をしてくれた」等、贈り物の背景に、贈った側の状況や気持ちが見えると、より嬉しいものです。

    贈りたい相手をよくみていて、どんな物を贈れば喜ぶのか想像して下さい。解らないなら、「色々考えてみたけど、思いつかなくて…」等、自分の気持ちを正直に相手に伝えてみましょう。自分への贈り物の為にあれこれ悩んでくれたと知るだけで、貰った時の感動が数段上がります。

     

    D小さなサプライズ。

    贈り物は高価でなくてもいいのです。かと言って、その人にあまりに不釣り合いな物ではダメ。女性の「プレゼント、何でもいいよ〜」。を、真に受けてはいけません。

    その人に見合うような、素敵な贈り物を考えましょう。

    「誕生日のプレゼント」というのはかなりハードルが高いので、まずは、可愛いお菓子とか小さな雑貨とかをさりげなく渡してはどうでしょうか。日頃の思い(ありがとうとか、ごめんねとか)の一言を添えて。何でもない日の贈り物は小さなサプライズ、その心遣いが女性はとても嬉しいのです。

     

    「缶コーヒー一本 恋の予感かな」