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★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その28★男の伏目…正木ゆう子

  • 2014年06月09日  菱月 美琴  



    ちょっとしたいじわるが、恋をよい方向へ導いてくれる事があります。
    ここで大事なのがその匙加減。魅力的な自己演出に使えるのか、ただの意地悪な人で終わってしまうのか、微妙なラインが難しい所。
    正木ゆう子さんの俳句の中の女性は、何だかとても素敵な感じです。異性に対する「いじわる」について、考えてみましょう。
     
     
    「アマリリス男の伏目たのしめり」
    (引用:正木ゆう子著『水晶体』より)
     
     
    @この俳句、こう読みます。
     
    読み方は「アマリリス おとこのふしめ たのしめり」です。
    季語は「アマリリス」。
    ヒガンバナ科の球根植物です。原産地は南アフリカ。花期は5〜6月頃で、花色は赤、ピンク、白、等があります。球根に毒を持ちます。
    名前の由来はギリシャ神話に登場する羊飼いの娘、アマリリスから。
    花言葉は「誇り、内気、すばらしく美しい、強い虚栄心、おしゃべり」等。
     
    百合に似た花形、華やかで凛とした佇まいは、美しい女性のようです。じっと見つめられたら、おどおどと伏し目がちになりそう。そんな男の様子を、楽しんでいるちょっと意地悪な女性…なのでしょうか。(でもこの意地悪な感じ、大なり小なり、何となく解りますよね)。
     
    A正木ゆう子さんの事。
     
    正木 ゆう子(まさき ゆうこ)、昭和27年(1952年)6月22日生まれ、熊本出身の女流俳人です。お茶の水女子大学を卒業。1973年、能村登四郎氏主宰の俳句雑誌「沖」に入会。自由でいきいきとした作風で、根強いファンも多く、若手俳人に大きな影響を与えています。
     
    B魅惑的な「練習」。
     
    食品会社の営業部。この春、A子さんの部署にも新入社員が入って来ました。中堅になりつつあるA子さんは、上司に教育係を頼まれました。
    ひょろ〜っとした、青白い顔のB君、A子さんよりちょうど10歳下の22歳。パッとしない風貌ながら、実は、メガネの奥の切れ長の瞳が、とてもキレイで愛くるしいのです。
     
    職場にも慣れてきた6月初旬、A子さんはB君と同行で客先を回る事に。
    「あのね、営業先ではお客様の目を見て話す事」。
    「あ、ハイ」。
    「じゃあ、練習するよ」。
    「・・・・」。
    「目をそらさな〜い!!」。
    何度やっても、B君は伏し目がちに、恥ずかしそうに下を向くのでした。
     
    そんな調子で大丈夫かしら…と思って客先に行った所、男性相手だときちんと目を見て話せる様子。A子さんが教えてきた以上に上手く、商品説明も出来ていました。
    「すごく良かったじゃん。その調子で頑張っていこう」。
    「ありがとうございます。男相手だと大丈夫なんですが、女性は苦手で」。
    「そうなの? でも、お客様には女性も居るしね。…私で練習しようか」。
    「あ、いいんですか。ありがとうございます」。
     
    それから何度もAさんとB君は「目を見て話す」練習を。
    でも、いつもB君は目をそらしてしまうのでした。
     
    (俺、A子さんの事好きなのかも…)。B君は実際、A子さんに見つめられた時だけ、どうにもドキドキして視線を外してしまうのでした。
     
    そんな事とは露知らず、A子さんは密かな楽しみとして「練習」を続けていました。
    ちょっとしたパワハラ?! と、思いながらも、B君の恥ずかしそうにうつむく様子が見たくて、中々止められないのでした。
    B君も毎度照れて俯きながら、(いつか目を見て対等に話せたらいいのにな…。早く一人前になろう!)と、密かに闘志を燃やしていました。
     
    C可愛いイジワルとアウトな意地悪。
     
    女性の要素として確かにあるであろう「いじわる」。異性に向けられる場合は、愛情の裏返しだったりしますよね。恋愛に於いて「いじわるな女」って、百戦錬磨の悪女より、素直に気持ちを伝えられない不器用な女性に多いような気がします。
    ここで重要なのが、その「いじわる」は、笑って終われるのか、そうでないのか。相手を追い込まず、傷つけない方法で「可愛らしいイジワル」を仕掛けてみましょう。
    二人の関係を良い方向へ向かわせるような、変化をもたらす事になるかもしれません。
     
    D女って怖いモノ。
     
    ここまで読んで下さった男性の皆様、「女って怖いわ〜〜」と、ひいてしまった人も居るのでは。女の私が言うのもなんですが、女性は本当に怖い生き物です。太古の昔から種を残すため、あらゆる手段を使って、よりよい男を得る努力をして来ました。伴侶を求める時、男性は能動的に動けた訳ですが、女性は長らく受動的。
    遺伝子に組み込まれてしまったのか謎ではありますが、恋に於いて女性は相手の気持ちに敏感だったり、駆け引きが上手だったりと、どちからというと頭脳勝負ですよね。
     
    でも、恋に落ちてしまったなら、怖さもいじわるもほんの媚薬だったり。
    女性はその加減を間違わないように、ここぞという時に、適宜適量使いましょう。
    男性は「女は怖いモノ」という前提を胸に、どーんと構えていてくれたらと思います。
     
    「アマリリス 君の瞳にうつるひと」