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★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その30★梅雨の車窓…長谷川素逝

  • 2014年06月17日  菱月 美琴  



    梅雨真っ只中、実はこの時季、素敵な恋のチャンスがあちこちにあるって、知っていました? 早々に雨模様を味方に付けて、恋人を見つけた人も居るらしく…。
    ジメジメの家の中に、籠っていてはもったいない! 灰色の世の中がパッと明るくなるような、素敵な恋を見つけに外へ出掛けましょう。
    梅雨には梅雨の恋対策、一緒に探ってみませんか。
     
     
    「さよならと梅雨の車窓に指で書く」
    (引用:長谷川素逝著『定本素逝集』より)
     
     
    @この俳句、こう読みます。
     
    読み方は「さよならと つゆのしゃそうに ゆびでかく」です。
    季語は「梅雨」。
     
    ひと気のない電車の中、男がひとり座っています。窓の外は雨。梅雨時で車内の湿度はやや高く、窓ガラスは曇っています。男は、段々遠のいていく景色を見ながら、指で「さよなら」と書きます。文字はやがて水滴になり流れ始めます。文字が泣いているようにも見えます。…そんな情景をイメージしました。
    「さよなら」は、故郷への別れかもしれないし、また、恋人との別れなのかも。もの悲しさを際立たせ「梅雨」の季語が効いている一句ですね。
     
    A長谷川素逝さんの事。
     
    長谷川 素逝(はせがわ そせい)、本名は直次郎。昭和初期に活躍した俳人で、京都帝国大学を卒業後、昭和5年(1930年)、俳句雑誌『ホトトギス』に初入選。また、出身校の『京大俳句』創刊にも尽力しました。
    自らの戦争体験を作品にした句集『砲車』で一躍有名になります。中学や高校に勤務していた経験から、教師目線の優しい作品も沢山あります。他の句集に『三十三才』『ふるさと』『村』『暦日』。
    結核のため40歳の若さで亡くなりました。
     
    B梅雨時を味方に。
     
    歯科衛生士のA子さんは、週末のコンパに備え、色々と作戦を練っていました。
    職場の男性は50歳後半の歯科医ひとり。25歳、異性との出会いのチャンスは殆どなし。
    男の人と付き合うなら、2年位かけて人柄を知りたいし、結婚は27歳、子供も30歳までに2人は欲しい…という人生計画の為、ここら辺でキメなければ…と少々焦っていました。
    今回のコンパの相手は自衛官。大学の先輩のツテを頼りました。制服姿も格好いいし、頼りがいがあって、何より使命感に燃えている感じが素敵…。
    「週末の予報は雨…。よし、計算通り!」。
    A子さんはカレンダーの日付に傘とハートのマークを書き込みました。
     
    日曜日、天気予報通りの雨模様。
    夕方5時の駅前集合に合わせてA子さんは支度をし、先輩から聞いていた、相手方の幹事に電話をしました。
    「今日は宜しくお願いします。駅前の銅像の前に、赤い傘をさしていますね」。
    「解りました。楽しみにしています」。
     
    夕方、約束の場所にA子さんと友人は立っていました。すると、前方から背の高い男の人数人が。
    「A子さんですか?」。
    「ハイ」。
    「あっ、今日は宜しくお願いします」。
    赤い傘にクリーム色のワンピース。色白の肌にリップは控えめな赤。
    男の人達の視線はA子さんに釘付けになっているのが解りました。
     
    その後の居酒屋でのコンパも盛り上がり、軽くA子さんの奪い合いに。
    その中でも誠実そうなBさんと携帯番号を交換して、次のデートの約束を取り付けました。
     
    「何か、A子、いつもと違う。何か、ズルい!!」。友人達は笑いながらも少々悔しそうでした。
    「最近、色彩の勉強をしているんだけど、パーソナルカラーって知ってる?」。
    「何それ?」
    「自分をキレイに見せてくれる色なんだよ。今度、テキスト貸すね」。
    A子さんは余裕の笑顔を浮かべました。
     
    (パーソナルカラーも役立ったけど、一番は傘効果だったんじゃないかな)。A子さんは内心思っていました。
    (梅雨時のグレーがかった景色の中で、赤い傘の中の私はキレイに見えたハズ…。次のデートも雨になりますように!!)。
    A子さんは心の中で祈りました。
     
    パーソナルカラーと、「夜目遠目笠の内」ということわざを味方につけて、A子さんは晴れてカップルになったのでした。
     
    Cキレイ効果を狙いたい。
     
    見た目が全てではありませんが、第一印象はやっぱり大事。
    顔の造作は変わらないし、スタイルだって今すぐどうにかなる訳じゃないですよね。ならば、少しでもキレイに見える効果を狙いたい。
    ことわざの「夜目遠目笠の内」というのは美人に見える条件を言っている訳ですが、現代にも使えるんですよ。特に梅雨時の今は「笠(傘)の内」効果を狙いましょう!
     
    D別れのチャンスも実はこの時季。
     
    そろそろ終わらせたい恋がある人なら、この時季にケリを付けるのがおススメ。
    雨、傘、車窓の文字…等々、別れのワンシーンもドラマチックに演出出来ます。
    一区切りつけて、きれいさっぱり、来る夏に備えましょう。
     
    「灰色の街に足す赤 梅雨の恋」