TOP > イククルコラム > ★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その46★プールサイドの恋…中嶋秀子

★電脳歌人ミコトの恋の覚書 その46★プールサイドの恋…中嶋秀子

  • 2014年08月11日  菱月 美琴  



    暦の上では秋…と言われても、まだまだ暑さ厳しい今日この頃。プールや海へ行く機会も多いのでは。男性も女性も、水着姿に一目惚れ…って、結構有ります。プールや海って、恋が生まれやすい場所ですよね。チャンスを掴むための工夫って有るのでしょうか。夏の恋愛成就に向けて、あれこれ考えてみたいと思います。
     
     
    「プールサイドの鋭利な彼へ近づき行く」
    (引用:中嶋秀子著『陶の耳飾り』より)
     
     
    @この作品、こう読みます。
     
    読み方は「プールサイドの えいりなかれへ ちかづきゆく」です。
     
    「プール」という言葉は何となく庶民的ですが、「プールサイド」というと、何故かぐっと大人の雰囲気。不思議と高級感も感じられて、避暑地のリゾートホテルのプールサイドが目に浮かびます。この俳句、女性側からの視点…という所がドキッとしますよね。
    「鋭利な彼」の解釈は色々有りそうですが、外見的にもよく鍛えられている無駄の無い身体、目つきも鋭い、危険な雰囲気の男性のイメージ。そんな彼に近付いて行く女…。物語のはじまりの一部分が、緊張感を持って切り取られています。
     
    A中嶋 秀子(なかじま ひでこ)さんの事。
     
    昭和11年生まれ、東京都出身の女流俳人です。能村登四郎氏、加藤楸邨氏に師事。『寒雷』『沖』の同人を経て、昭和61年俳句雑誌『響』を創刊します。第43回現代俳句協会賞受賞。女性ならではの感性と、気品のある作風が素敵です。
     
    B監視員の彼。
     
    ショップ店員のA子さん(29)の最近の楽しみは、新興住宅地の一角に、新しく出来たプールへ通う事。
    公営のプールでしたが、土地柄も有るのか、来ている人達は落ち着いた大人が多く、あまり混んでいないのが魅力でした。
    そして、もう一つ。最近見掛けるようになった、大学生と思われるアルバイトの監視員が、とてもタイプだったのです。
     
    A子さんの休日は火曜と水曜。午後3時過ぎから6時頃まで2日間とも泳ぎに行きました。あまりジロジロ見る訳にはいきませんでしたが、どうしても視線が追ってしまう彼。適度に日焼けしきちんと鍛えられている長身、理想的な男の身体でした。
     
    (何かスポーツでもやっているのかなぁ〜、カッコいいなぁ〜…)。目の保養だけでなく、いつか話しかけたいと思うようになっていました。
     
    そんな機会は突然やって来ました。
    「…イタッ、痛い〜!」。
    A子さんは泳いでいる途中、急に足がつったのです。25メートルプールの真ん中は深く、小柄なA子さんは足がつかずに一瞬溺れそうになりました。
    「大丈夫ですか?」
    監視員の彼はプールに入り、A子さんを助けてくれました。
    「あっ、大丈夫です。すみません。ありがとうございます」
    恥ずかしくて消え入りそうな声でお礼を言いました。
     
    その夜はしばらく眠れませんでした。程よく筋肉がついた腕、大きな手…。彼の身体のパーツがA子さんの夢に出て来ました。
    (私、恋しちゃったかも…)。夢の中でもA子さんは思いました。
     
    次の週の休み、A子さんは早起きして得意のパン作りをしました。可愛いメッセージカードに先週助けてもらったお礼を書いて、監視員の彼に差し入れしようと思ったのです。
    自分の携帯番号を書くか悩みましたが、あまり先を急ぎ過ぎてぶち壊しにしたくなかったので、様子を見る事にしました。
     
    受付の女の人に「これ、監視員の彼にお渡し下さい」と包みごと預けました。一瞬、女の人の瞳が曇りました。
    「…あ、先週泳いでいる時に助けていただいたので」。
    「はい、わかりました。渡しておきますね」。女の人の事務的な微笑みが、何故かA子さんの心に引っ掛かりました。
     
    予感は的中。その日を境にA子さんはもうそのプールへ行く事はありませんでした。なぜならパンを預けたその日の夜、監視員の彼と受付の女の人が、手をつないで歩いている所を見てしまったからです。
    (見てるだけじゃ我慢出来ないよね、あの身体…)。
    A子さんはぼんやり、監視員の彼の水着姿を思い浮かべました。
     
     
    C水着とか浴衣とか。
     
    スポーツ選手は、ユニフォームを着ている時が一番素敵に見えますよね。普段着より数段素敵に見える格好ってあります。プールサイドであれば水着。お祭りや花火大会等では浴衣です。もちろん、肌の露出も考えてきちんと身体を管理しておくことが大事です。折角、流行の水着を着ても、お腹がぽっこり出てしまっていたり、無駄毛が野放図になっていたりすれば逆効果です。
     
    D清潔感が大事。
     
    「ムキムキに鍛え上げなくては男はモテない」って事はありません。筋肉苦手な女性も実は数多くいます。薄着になる今、一番大事なのは清潔感です。夏場の身だしなみは、特に注意を払うべきです。もちろん、女性側も。さわやかな夏の恋を楽しみたいですよね。
     
    「告げぬままプールに溶かす恋ひとつ」