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《おばあちゃんの恋愛説教部屋》魅力がないと決めこむべからず

  • 2016年01月12日  吉井 綾乃  



    松の内も過ぎてお屠蘇気分ももう終わり。
    とは言え、門松もお屠蘇も近頃はとんとお目にかかることが少なくなっている。
    わが家でもおせちやお餅がそろそろ、食卓には上らなくなり徐々に正月モードから日常生活に移行しつつある。が、お若い方々はもともと、おせちやお餅などはあまり食さないのであろうか?とすれば、少々残念なことではある。
     
     
    さてさて、今日のお悩みはどんなことかしらん?
    おばあちゃんに選ばれた栄えあるお節介の犠牲者は北街道に在住のヒミツさんよ。あら、男性の方なのね。
    例え、選ばれたヒミツさんにとって迷惑千万なことだろうと、今日も元気に言いたい放題させていただくわよ。
     
    自分は見た目もブサイクで中身も何も良い所が無いので生まれてから女性に好かれた事が有りません 変わる努力もしましたが何も変われませんでした 
    女性と付き合うのを諦めるには女性に興味を無くす事しか無いのですが、なかなか出来ません 
    女性に興味を無くすには、どうすれば良いのでしょうか?
    あと、性欲を無くす為には、どうすれば良いのでしょうか? 
    ♂ヒミツ 30代後半 北海道
    あらまぁ!
    ・見た目はブサイクで中身に良いところが無い
    ・努力したけど変わりが無い
    ・女性に興味をなくすことができ無い
    ・性欲も無くすことができ無い
    『無い無い尽くし』で何が無い、と語呂合わせでもしたくなるほど何も無いのオンパレードだわねぇ。
    ヒミツさん。あなたって、なんて謙虚で控えめなお方なのかしらん。
    オット、喜ぶのは早いわよ。少しも褒めてなどいないのですからね。これは最大限の嫌味よ。まさか、『何にも無いなんてなんてかわいそうな人』と、同情してもらえるなんて思ってはいないでしょうけれど、当然同情の余地はなしね。
     
    『自分に自信をお持ちなさい』なんて、当たり前で一番難しいことを言うつもりはさらさらないけれど、ヒミツさん、あなた本当に自分のことを知っていらっしゃるの?
    冷静に鏡を覗いてご覧なさい。鏡に映るあなたの顔は目を覆うほどのもの?人様から忌み嫌われるほどのご面相なのかしらん?それとも、他の誰かからブサイクで魅力ゼロだ、と指摘でもされたのかしらん?
    文面から察するに全て、自己完結のようね。ブサイクも魅力のなさも自分で決めてしまったことにしか見えないわ。
    あなたは、『ブサイクで魅力が無いから女性に好かれたことがない』のではなく『ブサイクで魅力が無いと思いこんでいるから女性に好かれるはずがないと思っている』、だけなのよ。
    ヒミツさんの倍近くの長きにわたり人間様を見てきているけれど、世の中、美男美女ばかりじゃないわ。むしろその逆よ。物理的、造形的に言えば美男美女のほうが少ないはずよ。冷静に周りを見てご覧なさいな。
    それにね、おばあちゃんの独断と偏見によればイイ男にはブサイクが多いのよ。これはホント。だって、おばあちゃんは実例を何度も見てきていますもの。
    その実例を一つ教えてあげるわね。
     
    昔々のペコちゃんポコちゃん(ご存知かしら)のポコちゃんのように頭でっかちで短足チビのおじさんのお話よ。おじさんと言ってもおばあちゃんがまだ二十歳前の頃に出会った男性だから、年齢は今のヒミツさんと同じぐらいだったのかしらね。
    その彼はエラの張った大きな顔に丸眼鏡で、いつもランニングシャツをズボンにイン。足は短いしランニングシャツから出ている腕は貧弱極まりないし…。いくら昔々の時代でも、お世辞にも魅力的だという外見を持ち合わせていない男性だったのよ。
    ヒミツさんに言わせれば、そんな男性に彼女ができるわけがないはずよね。ところが、彼には綺麗な彼女がいたわ。しかも、略奪愛。人妻である彼女をご主人から奪ったのよ。
    彼女がご主人より彼のことを選んだということは少なくとも、彼女のご主人より彼に魅力があったということの証明でしょう?
    そして、この二人には、駆け落ちした二人を追うご主人から逃げているという特殊な事情があったのよ。だからなおさら、ポコちゃんおじさんは強く格好良くなくては、二人の恋は持続しなかったはずなのよね。実際に追手が迫ってきた時の彼の凛々しさといったらなかったわねぇ。ポコちゃんに似ているなんて露ほども感じさせなかったし、彼女を守る、という強い気持ちが身体全体から溢れ出て本当に素敵な男性に見えたわよ。
    若かったおばあちゃんはそれまで彼のことは、ポコちゃんに似たおじさんとしか思ってなかったけれど、本当の意味で彼はイイ男だと知ったもの。
     
    美女に野獣(逆パターンもあり)、この手のお話ならいくらでも知っているわよ。
    魅力がないなんて自分で決めちゃだめよ。
    極端な話、好き嫌いは個人の好みの問題よ。顔の美醜だって、同じ顔の人は一人もいないわ。パーツの位置が少しぐらいずれていても誰でもイイ顔になれるし、魅力的な人になれるはずなのよ。
    それに、ヒミツさんは役者やタレントさんではないから多くの人に愛される必要などないでしょう。それとも、これから芸能界にデビューでもするおつもりかしらん。文面を見る限りそんなことはないでしょうから、ヒミツさんが心から愛する人、たった一人の女性にイイ男だとわかってもらえれば済むお話よ、そうでしょう?
     
    あと一つ。女性への興味や性欲を無くそうなんてムダのことを考えるのはお止めなさいな。
    もしかして、ヒミツさんは本気で仏門へ入って悟りを開きたいとお思いなの?
    それが、本心なら止めはしないわ。どうぞ、どうぞ、お気張りなさい。
    けれど、『生臭坊主』という言葉もあるくらいですもの、仏門に入っても煩悩から解放されるとは限らないわよ。
    それならば、「下手な考え、休むに似たり」。あなたは少しばかり臆病なだけ! 
    傷つくのを恐れないでいいえ、傷つけられるのを恐れず大いに恋して男を磨きなさいな。
    それが、一番のあなたが変わるための努力かもしれないわよ。
     
    「劣等感 捨てて成りたし イイ男」