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《ヒモノ図書館員の恋愛強化書》「ママ」呼び男子も頼れる男も要注意!?

  • 2016年03月25日  猫元 わかば  



    ネットで友達や恋人を見つけるのが珍しくない時代。SNSは普段の行動範囲では出会えない人とつながれるチャンスをくれる魅力的な存在です。今回の小説の主人公もネットで男性と出会い、彼氏いない歴=年齢を卒業しました。
     
     
    もはや利用していない人を見つけるほうが難しいのでは?と思うほど、身近な存在になったSNS。
    mixiからはじまりTwitter、facebook、Tumblr、Instagramなどなど。
    何気ない日常のできごとから偶然見かけたかわいいものや面白い物を文章や画像でたくさんの人と共有できる、使いだすとハマってしまう魅惑のツールです。
     
    今回ご紹介する1冊は、2016年3月下旬より映画の公開が始まる、岩井俊二さんの小説『リップヴァンウィンクルの花嫁』。
    主人公の女性が「プラネット」というマイナーなSNSを通じて様々な人たちと出会い、奇想天外な出来事に巻き込まれ、成長する姿が描かれています。
     
     
    ■『リップヴァンウィンクルの花嫁』あらすじ
     
    皆川七海はカレシいない歴=年齢のごく平凡な女性。
    ある日、愛用しているマイナーSNS「プラネット」で新しいサービス『愛活』が始まると知り、思い切ってエントリーしました。
    そこで出会った男性・鉄也とデートを重ね、ついに念願のゴールイン。
    「結婚できる!」と喜び浮かれていた七海ですが、結納や結婚式のとりきめなどで家族・親せきの問題にぶちあたります。
    七海の両親はすでに離婚しており、さらに父親の事業の失敗のせいで親戚からは見放されている状態。
    プラネットに不安や愚痴を書き込むと、披露宴に出席するニセの親族を提供する「代理出席」の話を持ち掛けられます。
     
     
     
    ■やっぱり「ママ」呼び男子は要注意!?
     
    SNSがきっかけで出会い、見事七海とゴールインした男性・鶴岡鉄也。
    出会い系サイト初体験の七海が不安を抱えながらも待ち合わせ場所に向かうと「予想を上回る容姿」の鉄也が現れます。
    背が高くて、清潔感があり、話し上手。仕事はなんと大学付属の中学校で数学の教師!
    かなり<アタリ>なハイスペック男子です。
    しかし、ここで喜んでばかりいられないのが小説のお約束。
    こんなハイスペックな男子が結婚できない理由がちゃんとありました。
     
    プロポーズのあと、「まずは結納を…」と七海と鉄也の家族が集まった席でのこと。
    母親に子供のころの話をされ、恥ずかしくなった鉄也が「ママ……その話はいいって」とたしなめます。
    マザコン男の象徴とも言える「ママ」発言!
    七海の父親も「大丈夫か?母親のことをママなんて呼ぶような男だぞ。きっとマザコンだ」と心配に。
    その心配は見事に的中してしまいます。
    普段の様子から、鉄也がマザコンという印象はまったく受けません。
    しかし部屋で見慣れぬ女物のピアスを見つけ、浮気を疑った七海が探偵に調査を依頼すると驚くべき事実が。
    浮気ではなく、母親が週に2日は東京にやってきて一緒に食事をしているというのです。
    新婚なのに!これだけでもちょっとムリ案件ですが、極めつけはいつの間にか七海が浮気していることになっていたとき。
    母親の言い分だけを信じて七海の話をいっさい聞いてくれません。
     
    マザコン男性が嫌われる1番の理由はここにあると思うのですよ。
    母親を大事にする男性はポイント高いですが、何かあったとき母親を盲信して、恋人や妻である自分の味方をしてくれないというのはツライ。
    やっぱり好きな人には信じてほしいし、味方でいてほしいものです。
     
     
    ■優しくて頼れる男子も要注意!?
     
    この作品には鉄也意外にもう1人、メインキャラクターともいえる男性が存在します。
    七海が結婚式に呼べる親戚がいないと悩んでいるときに紹介された何でも屋「安室商会」を取り仕切る男性・安室です。
    もちろんこの名前も偽名で、いくつも名前があるとのこと。
     
    ものすごく胡散臭い男性ですが、安室さんが、すごく頼りになるのです。
    ニセの親族を集めてくれる「代理出席」を皮切りに、鉄也の浮気調査や、浮気相手の彼氏だという男に七海がホテルで襲われそうになったときにも颯爽と駆けつけて対処してくれます。
    まあそのたびに20万、30万と請求されるワケですが…。
    すっかり七海は安室を信頼して、困ったことが起こる度に安室に連絡をして助けてもらうように。
     
    七海がピンチの度に必ず助けてくれるので、読者の立場から見てもすごく頼もしく見える。
    ついつい「助けてあげて!安室さん!」とすがりたくなりますが…しかしこの男、実は計算高くてめちゃくちゃタチの悪い男なのですよね…。
    七海に何かと手を貸してあげるのも、ある目的があってのことなのです。
     
    でも自分の足で再スタートを切ると決めた七海のもとに、「引っ越し祝いです」とトラックに家具をたくさん乗せてやってきた安室には、何の打算もなかったんじゃないかなあ。なかったといいなあ。
    最後まで七海にとってのスーパーマンである姿勢を崩さないあたり、やっぱり計算高い男なんですけどね。
     
     
    ■先の見えないわくわくのストーリー展開!
     
    日常から非日常的な世界に足を踏み入れていく流れがスムースで違和感なく世界観にひたれます。
    どの方向に進んでいくかわからない面白さのある小説でした。
    良いことも悪いことも起こるけど、最後はしっかり前向きなエンディング。
    七海の成長具合も見られて読み応えたっぷりの作品です。
    そして作中で七海がウェディングドレスを着るシーンがとっても印象的。
    ウェディングドレスでアロファロメオに乗って、海岸沿いをドライブなんてちょっと憧れてしまいます。
    読み終わったときにはウェディングドレスを着たくなる女子が続出するかも!?