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《吾輩はおっさん女子である》交際で幻滅するやるせなさ

  • 2017年04月08日  霜降 どいや  



    出会った相手に恋をすると、どんどん相手が魅力的に見えてある種の神格化が止まらなくなっていた。相手への気持ちが高まって晴れて付き合えることになったときには、それはそれは嬉しかったもんだ。けれど、嬉しい気持ちだけじゃなくて、付き合い始めると次第にマイナスな感情が生まれていったんだよな。

     

    ・片想い中はとにかく相手が輝いて見える

    出会った異性のことを恋愛対象として気になるとする。気になり始めると相手のことをまだよく知らなかったりどこか惹かれている自分自身に気付いたり、そういう自分の中のトキメキがどんどん相手への愛情に変わっていくじゃん。少なくとも昔の私は出会った異性にそういう過程を経て片想いをした。今じゃもう恋愛が面倒に感じられるほどにおっさんこじらせてるしよ、それにトキメキがマイナス値を記録してるからよ、そんな片想いキュンキュン!ってのはこれっぽっちもねえんだけどよ。

    恋愛を頑張っていた、というか難なく恋に落ちることができていた頃の私は、一度片想いすると「恋は盲目」よろしくな具合に相手のことが良いようにしか見えなくなってたんだよな。それこそ片想いフィルターだよ。片想いフィルターが作動するともう相手がどんどん魅力的に見えて、私の中ではある意味神格化されていってたんだよな。

    少女漫画の描写でよくある「憧れの先輩の周りに散りばめられたキラキラエフェクト」が実際に現れそうなくらい、どんどん相手が神格化されて輝いて見えていたんだよ。自分の心の中でその神格化が止まらなくなって、ますます相手に惹かれて「この人の恋人になりたい」って願望がメキメキ育った。そういう恋人願望が芽生えたもんなら、昔の私はめちゃくちゃに頑張った。頑張れるほどの馬力を出せたし努力もできたから、自分の願望を達成するためにひたむきだったよ。今じゃもう考えられねえけど。

     

    ・交際を始めるといつも2つの感情が渦巻いた

    「片想いフィルター」を発動させてどんどん惹かれていった相手への恋人願望が高まって、その願望を達成するためにアレヤコレヤと頑張った努力が「交際スタート」で晴れて報われたときは、そりゃあ死ぬほど嬉しかったよ。私の中で神格化されていた人、憧れの人が恋人になったんだからよ。「恋人になれた」っていうイベントだけで、世界がバラ色に見えたもんだ。も、恋愛が面倒に感じられておっさんをこじらせている今の私があるのは、それぞれの素晴らしい恋愛が続かなかったからだ。

    付き合い始めた当初は「片想いから恋人関係になれた」っていう変化、願望の達成で死ぬほど嬉しかった。でも、その喜びがずっと続いたかって言えばそうじゃねえんだよな。はじめのうちに感じていた幸福感とか愛情とかの刺激にどんどん慣れていったし、出会った当初には作動していた「片想いフィルター」の効果も薄くなって「本来の相手の姿」が目に入った。すると、厄介なことに当時の私には「思っていたのと違う」って感情が湧いてきたんだよな。何を勝手に神格化して勝手に落胆してんだよって笑えるよな。まず、こういう「思ってたのと違う」っていう1つ目の感情で恋愛の熱が徐々に下がっていった。

    もう一つの感情は「こんな人でも私と付き合うんだ」っていう意味の分からない幻滅だった。片想い中の私は、私の心のなかで相手のことをどんどん神格化していった。けれど、付き合うってことは、相手と自分とがほぼほぼ対等な関係、というか同じ視点に立つのと同じじゃんね。片想い中には神格化されて上の立場にあった人が、私のような人間と付き合う程度の人なんだって思うと、どうしても幻滅してしまっていたんだよな。

     

    ・恋愛に向いていなかったのは昔からだった

    昔の私は、片想い中に憧れを抱いていた人の恋人になって嬉しさを感じながらも、「この程度の人なんだ」っていうマイナスの感情を抱いてたんだよ。当時の私を振り返ると「何をわがままで自分勝手なことを思っていたんだろう」とやるせなさを感じるのは、おっさんをこじらせるほどに恋愛に対して冷めてしまったからかもしれねえ。でも、私のこんな性格が恋愛を面倒に思わせて恋愛から遠ざかる原因の1つだったんだろうなと再認識する。我ながらとことん恋愛に向いてねえよ。

    憧れていた人が「自分の恋人」になることに対して満足感や優越感を抱いたり、片想い中に自分の中で神格化していた人が自分と同じステージに立つことを歓迎したり、そうあるべきなんだろうな、とは思う。でも、そういうプラス思考ばかりじゃなくて、幻滅っていう負の感情がつきまとっていた私は、そりゃあもう恋愛に向いてないよなって痛感する。むしろ、恋愛を頑張っていた当時に、よくもあんなふうに恋愛に頑張れたもんだ。いや、何度も恋愛したぶん、それだけ失恋したからどっこいどっこいなんだろうけどよ。