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《吾輩はおっさん女子である》恋人の携帯を盗み見ても良いことはない

  • 2017年07月01日  霜降 どいや  



    恋人の不振な動きを察した私は一度だけ「恋人の携帯を盗み見る」って行為に及んだことがある。実際当時の彼氏の携帯には他の女と何やかんやしている形跡は無くて、ホッとしたいんだよな、一時的に。その後は「あの時携帯を見るんじゃなかった」って後悔しかしなかったんだよ。

     

    ・恋人の不審な動きを察したらどうするか

    「付き合っている彼氏が何かを隠している・怪しい気配がする」と気付くと、勝手に自分の中で悪い方向ばかりに物事を考えてしまっていた。根暗な性分だからか知らねえけど、一度でも考えが悪い方向に巡ってしまうと「起こり得る最悪の事態」を想定してしまうんだよな、癖かな。で、恋愛を頑張っていて出会いを求めてそれなりの何やかんやを経て、晴れて恋人関係になってしばらく経った「マンネリ期」に彼氏の不振な動きを察したもんなら、もう「これは浮気されているかもしれない」って一人でアワアワしてしまってたんだよな。

    自分一人で考え込んでも良い方向に進まないと分かっていた。一人でアワアワ悶々と嫌な想像ばかりを繰り広げて、その想像内での最悪の結末が嫌すぎて泣きそうになったことが何回あるか。そんな想像で神経をすり減らすとか労力の無駄すぎだよな。当時の私に「そんなことで凹んでるとか、マジでどんだけ暇なのかよ」って言ってやりてえくらいだ。もしも恋人の不振な動きを察したら、真偽を確かめるべく相手に問いただすことができればそれが1番だ。でも、それができるほど強くないと、どうしても相手のプライベートな部分を盗み見て真偽をこの目で確かめようとする。最近ではLINEやスマフォを盗み見るんだろうけど、私の場合にはそれがガラケーだった。

     

    ・彼氏の携帯を盗み見して残ったもの

    彼氏の浮気疑惑を抱いた私は、相手がお風呂に入ったり先に寝たりして携帯から離れたタイミングでメールボックスやアドレス帳を確認して、「他の女の存在があるかどうか」を盗み見た。パスワードが設定されていたけれど、解除する時の指の動きから想像していたパスワードで呆気なく中を見ることができた。携帯の中には「女と何やかんやしてる様子」は無かった、メールや電話の履歴を消していたからかもしれねえけどよ。ホッとした反面、私のメールを保護して残している彼に申し訳ない気持ちでいっぱいになったんだよ。

    「何やってんだよ私は」って自己嫌悪からその後には彼の目をきちんと見ることができなかった。そんな私を見て「何かあった?」「どうした?」「体調悪い?」と心配する彼に対して、いっそのこと「あなたの携帯を盗み見た私自身が嫌になっています」と言えたらどれほど良かったか。私は全てを相手に打ち明けて、それでも彼に好きでいてもらえる自信がを持っていなかったから嘘をつくしか無かった。当時の彼の携帯を盗み見て、結果として残ったのは「隠れて携帯を盗み見た嫌な自分」と「相手を信頼していない自分」そして「携帯を盗み見たことを隠して嘘をついている自分」だけだったんだよ。

     

    ・塗り固めた嘘で相手との距離が広がってしまった

    「嫌な自分」まみれになった私は、罪悪感に押し潰されそうになった。私自身は「携帯を盗み見た事実を知っている自分自身」を知ってるけどよ、相手である恋人は「携帯を盗み見るなんてことはしない私」しか知らないわけじゃん。もしも恋人が「携帯を盗み見た私の性格の悪さ」を知ったらそれこそもうこの関係は終わりだ、と思っていたから絶対に「携帯を盗み見たこと」を隠し通そうとしたし、隠し通した。

    でも、自分や恋人である相手を信じられないせいで携帯を勝手に盗み見て、そしてその事実を隠して嘘をついて「彼氏が知らないもう一人の私」みたいなのを勝手に形成してしまったから、相手との溝ができて勝手に孤立してしまったんだよな。どんどん疎外感を抱くようになったし、彼の気持ちも離れていくのを感じた。最終的には「何を考えているのか分からない、もう関係を続けられない」と言われて別れた。何を考えているのか分からないはずだよ、嫌な私自身を必死に隠して接してたんだからよ。出会った頃にはこんな結末になるなんて思いもしなかったよな、さすがに。

    もう最悪だった。全ては相手を信じられなかった、彼の携帯を盗み見た、直接彼に聞くことができるほどの勇気がなかった、そんな私が悪かったんだよ。浮気を疑っていた頃のほうが気分的にはまだマシだったし、本当に「携帯を見るんじゃなかった」と思った。はじめは彼氏の浮気を疑って携帯を盗み見た私だけどよ、そんな「軽率な行動に移った私自身」と「塗り固めた嘘が広げた距離感」が別れる決め手になったんだから、もうどうしようもねえよなって嫌になったよ。今なら「なんで相手に直接聞かなかったんだよ、馬鹿じゃねえの?」と当時の私に言いたくなるけれど、それができないほど当時の私は変にガキだったんだよなって今更ながらに思ってしまうよ。