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【パッカー海未の恋愛放浪記】パニック!上裸男@中国

  • 2015年01月13日  空山 海未  



    無事に通り抜けたモンゴルから中国への国境。でも、国境近くの街で泊まった宿で突然現れた上裸男に、扉をおさえてパニック状態。結末は意外な方向へ。

     

    ●国境越えは幸運にも

    モンゴルから中国への国境越えは、北京行きの鉄道に乗るのが一般的ですが、国際列車は高いので、私は国境近くまで列車で行き、そこから自力で国境越えを目指すことにしました。ここの国境を陸路で越えるためには、徒歩は不可能なのでジープをチャーターする必要がありました。列車でたまたま出会ったのは、なんとモンゴルの軍隊に勤めているという若いお兄さん「シバ」。軍隊だというわりには身体は細く、しかしやっぱり鍛えているのかすらりと引き締まっています。うん、かっこいい。顔も、アジア独特ののっぺりした顔ではなく、綺麗に整った顔立ちで、この人が軍隊なんてギャップが素敵。いわゆるギャップ萌え。幸運にもそんなお兄さんと仲良くなった私は、ジープのチャーターも必要なく、彼にくっついて列にならぶこともなくあっさり国境越えに成功。神様ありがとう。

     

    ●シングルルームは自由にくつろげるなんて大嘘

    モンゴルを出たのが昼過ぎだったので、中国国境の街に着いたのは夜でした。宿を探してふらふら歩くのも危ないからと、同じ宿のシングルルームにそれぞれチェックイン。久々のシングルルームにテンションがアガって、早速鼻歌を歌いながらシャワーを好きなだけ浴びて、荷物も全部広げて、ベッドでごろごろ転がって。ひととおり満喫したので、水だけ買いにコンビニに行って戻ってくると、同じフロアの一番奥の部屋の扉が15cmほど開いているのが見えました。最初は、「こんな時間に掃除でもしてるのかな?」くらいにしか思わなかったのですが、開いた扉の隙間から見えた部屋は真っ暗で、なにかお化けが潜んでいるような雰囲気。すこし怖くなった私は、急いで自分の部屋に入りました。私が部屋に入ってドアの鍵をしっかりしめた瞬間、その奥の部屋から何かが出てくる気配がしました。ダダダダダダダダダ!!!!!足音が廊下に響いて、だんだんと大きくなり、それは私の部屋の前で止まりました。ドンドンドンドン!!!!乱暴にドアがノックされ、わたしは恐怖のあまりベッドの上で固まったまま動けませんでした。

     

    ●パニック!上裸男

    しばらくじっとしていると、足音はまた奥の部屋へ去っていきました。数分後、また迫ってきた足音は私の部屋の前で止まり、何かわーわー言いながら、再びドアをノックし始めました。それが中国語だとわかったので、恐る恐るドアに近づいて覗き穴から外を見ると、タオルを腰に巻いただけの上裸の男性がなにか細いモノをドアの鍵穴に差し込もうとしているのがわかりました。マズイ、このまま扉を開けられたら絶対良くないことが起こる。と思った私は扉のチェーンもしっかりかけて、部屋にある椅子や机を全て扉の前に移動させました。ドアの外でなにか言いながら、必死で私の部屋のドアを開けようとしていたその上裸男は、しばらくノックしたり廊下をうろうろと歩き回ったりしていましたが、30分もすると静かになりました。なんで私はこんなに、トラブルに巻き込まれるんだろう。参っちゃうな、せめてイケメンだったらよかったのに。いや、そんなこと考えてる場合じゃない。シバに助けを求めようにも、連絡先もわからないし何より廊下に出るのがこわい。そのままベッドに潜り込み、布団をすっぽりかぶって気がついたら眠ってしまっていました。

     

    ●思わぬ結末

    朝起きて、ドアが突き破られていないことにほっと胸をなでおろしながら恐る恐る外に出て、シバの部屋のドアを叩くと、なぜかとっても警戒されました。職業病なのかな?と思いながら、部屋に入れてもらうと、シバの口からとんでもない言葉が。

    「昨日ゲイに襲われたんだ」
    「それってもしかして中国人で上裸で腰にタオルを巻いてて…」
    「そうだよ、部屋をノックしてきて、とにかく大変なんだ入れてくれって言うから、部屋に入れたら突然襲いかかってきてびっくりしたよ。さっき一緒にいた女は誰なんだ!彼女か!って…軍隊で鍛えられたことに感謝したよ。なんでそいつのこと知ってるんだ?」
    「いや…なぜか私の部屋のドアもノックしてきたからさ…そういうことか」

    あれだけ怯えていた私の不安はとんだ見当違いで、本当の上裸男の目的はシバだったようです。確かにウケそうな顔立ちと雰囲気をしてる。あ〜あ、怖がって損した。と笑う私を見ながらちょっと困ったように笑うシバ。今でもたまに連絡を取るけれど、あれ以来やたら近づいてくる男性に恐怖を感じるんだって。恋愛はもちろん個人の自由だけれど、お互いの気持ちのバランスは大切なんですね。