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【パッカー海未の恋愛放浪記】恐怖のメンヘラおじさん@インドネシア

  • 2014年12月09日  空山 海未  



    最初の話はインドネシアのドミトリーで出会ったおじさんの話です。日本人だというととっても嬉しそうに話しかけてくれました。やっぱり日本人ってどこの国に行っても嫌われないんです。でも、そのおじさんがメンヘラだなんて全く気が付かなかったのです。最初は真面目で落ち着いた印象だったのに、連絡先を教えたことがはじまりでした。たった15分の会話がまさかあんな恐怖に発展するなんて…

     

    ・メンヘラおじさんとの出会いは安宿のドミトリー

    インドネシアの首都、ジャカルタに到着した私は、飛行機でベトナムから移動してきた疲れもあって、駅を降りてすぐに話しかけてきた客引きのお兄さんについて安宿にチェックインしました。男女混合8名のドミトリーだったのに、ベッドは半分ほどしか埋まっておらず、女性は私しかいませんでした。宿は綺麗だったものの、部屋の二段ベッドがとにかくふにゃふにゃで、下の人が動くたびに上で寝る私は震度3並の揺れを体感することに。さらに同室の誰かのいびきがものすごくてぐっすりと眠れなかったので、次の日には別のもっと安くて評判の良い宿に移動するつもりでした。

    次の日起きると話しかけてきたのは、隣のベッドで眠っていたインドネシア人のおじさん。年齢はおそらく私の父親と同じくらい。少し白髪の混じりかけている、綺麗に整えられた髪とシワのないスーツから、仕事に対して真面目そうな様子がうかがえた。それでも出張なのにこんな安宿じゃあ疲れもじゅうぶんに取れないだろう。きっとストレスもあったりするんじゃないかな。ちなみに独身。住んでいるのはジャカルタではなく、今は仕事の出張でここに滞在しているんだとか。見た目は物静かで落ち着いている雰囲気なのに、ちょっとなまって聞き取りにくい英語でやたら熱心に話しかけてくる。わたしはチェックアウトの時間も迫っていたので、とりあえず笑顔で15分ほど話を聞き、頃合いを見計らって話を切り上げました。これからしばらくインドネシアに滞在すると話すと、何日なら仕事が休みだから案内してあげる、家に遊びにおいでよ、その日はどこにいるんだ?と、やんわり断ってもしつこく誘ってきたので、とりあえず今後の予定が詳しく決まったら連絡するね、と伝えてメールアドレスとSkypeのIDを教えてわたしは宿をチェックアウトしました。

     

    ・恐怖のLINE攻撃

    移動した先の宿で出会った日本人とその日は一緒に観光して過ごし、宿に帰ると朝のインドネシアおじさんから「こっちの宿に戻っておいでよ」とLINEのメッセージが。あれ、わたし確かにSkypeよりもLINEのほうが使うよって教えたし、SkypeのIDとLINEのIDは同じだけど、LINEで連絡くると面倒だなと思ってわざとID教えなかったのに…。わざわざSkypeのIDでLINEのアカウントも検索してきたのかしら。どれだけ暇だったんだろう。少し面倒に思いつつ、今のところ戻るつもりはないよ、とだけ伝えました。そのまま眠った次の朝、アラームを止めたiPhoneの画面に表示されていた、おびただしい数のLINE新着通知とSkypeの不在着信…。友達がふざけて何か送ってきたのかと思いつつ確認すると、全てそれは昨日のインドネシアおじさんからでした。

    「今何してるの?」
    「僕は眠れないんだ」
    「君に会いたい」
    「電話に出てくれないかな」
    「僕の部屋に来てよ」
    「どこにいるの?」
    「声が聞きたいんだ」

    …不在着信…
    …不在着信…
    …不在着信…
    …不在着信…
    …不在着信…

    一晩中それは10~30分おきに送られてきていて、私は全身に鳥肌が立ち、思わずiPhoneを落っことしそうになるくらい驚きました。確かにインドネシアには近年どんどん日本の企業が進出しているし、街では日本料理店も見かける。日本のアニメや漫画もブームだと聞いていたけれど、何も、ちょっと前にSNSで話題になったメンヘラ女子高生みたいな真似しなくたっていいじゃない!私は日本の文化がとても素敵だと思っているけれど、そこじゃない!っていうか、同じドミトリーにたまたま一泊だけ泊まって、朝たったすこし会話しただけなのに、一体この人は私の何なんだ?!怖い!でも彼の目にうつったのはきっと私じゃなくて、日本の国籍とか永住権なんですよね。毎回こういうトラブルに巻き込まれるたびに感じる複雑な感情。

     

    ・メンヘラなのか鉄の心なのか

    一旦は無視したものの、その日一日中LINEの通知は続きっぱなし。忙しいから連絡してこないで、と伝えてみても、メッセージの数は増えるばかり。君の分の宿代も僕が払うよ、とか、マッサージしてあげるからおいで、とか、あの手この手で誘ってきます。今友達といるから無理、と言っても全く効果がありません。

    それ以上その人と連絡をとる気にもなれず、LINEもSkypeも結局全部ブロック。次の日にはおじさんがジャカルタから家に帰るとわかっていたのですが、外に出るときは一日中、どこかでばったり出会ったりしたらどうしようとびくびくしながら過ごす羽目になったのでした。