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【パッカー海未の恋愛放浪記】絶景で絶叫@トルクメニスタン

  • 2015年01月27日  空山 海未  



    「地獄の門」と呼ばれる、トルクメニスタンにある絶景を見に行きました。

    そこに待っていたのは、思わず息を飲むほどの絶景と、トルクメニスタン人の男性の強引すぎる熱烈アタックでした。

     

    ●苦労して辿り着いた砂漠の中で

    トルクメニスタンにある、知る人ぞ知る絶景「地獄の門」。それは天然ガスの採掘工事中に起こった落盤事故が原因で地面に大きな穴が空き、そこから吹き出る天然ガスが危ないからと火をつけた結果、40年たった今でも消えることなく燃え続けているというガスクレーターです。そこへ行くためにわたしはまず、ローカルバスとタクシーを乗り継いでウズベキスタンとトルクメニスタンの国境に辿り着き、国境を歩いて越えて、さらにそこからヒッチハイクとタクシーで砂漠の中をトルクメニスタンという国のちょうど真ん中あたりまでやってきました。砂漠の中を走るたった一本の国道。ちょうどガスクレーターまで歩いて2時間ほどの距離の場所に、チャイハナという休憩所兼喫茶店が数軒集まっている場所があります。タクシーの運転手さんにそのうちの一軒の前で降ろしてもらいました。なんとか辿り着いた砂漠の中のチャイハナ。おそるおそるドアを開けて中に入ると、そこはとても暖かく、笑顔の素敵なお母さんと娘さん、そしてよく笑うオーナーさんが営む家族経営のチャイハナでした。やっと落ち着ける場所に着いた安心感で、ほっとした私はそこでお茶と夕食タイム。どうやらオーナーさんにとても気に入られたらしく、言葉は通じないもののやたらあれもこれも食え、と頼んでもいないおつまみやらお菓子が出てきます。

     

    ●お酒は飲んでも飲まれるな

    そんなところへ、ジープとガイドさんを貸しきってトルクメニスタンをまわっているという、マレーシア人のお兄さんが登場。ガイドさんはウズベキスタン人で、この二人がとってもお酒好き!ひとりだった私を気にして誘ってくれたものの、とにかくたくさん飲むのです。マレーシア人のお兄さんもウズベキスタン人のガイドさんもとても流暢に英語を話すので、3人でそれぞれの国の話をしてとても盛り上がりました。マレーシア出身でも、カナダへの留学経験があり、今はシンガポールで仕事をしている、というお兄さんに私はとても憧れました。なんてグローバルな生き方!こんな辺境の砂漠での出会いに、ときめいてしまいました。恋の始まりが日本から遠くはなれた異国の砂漠っていうのも、悪くないなあ…なんて考えつつウォッカを3人で3本ほどあけたところで、耐え切れない眠気に襲われて、ガスクレーターを見に行くまえに少し仮眠を取らせてもらうことにしました。

     

    ●突然抱きしめられて

    やたら身体が重くなり、暑くなって目が覚めました。何事かと頭を持ち上げると、わたしの上にチャイハナのオーナーが覆いかぶさっていました。最初は眠ったフリをしていたけれど、最初は私の肩に添えられていた手がだんだん腰の方へ…ぞわーっ!!お兄さんじゃなくてがっかり…じゃなくて!突然起き上がって、必死で逃げようとする私を捕まえて、なにか耳元でささやいてくるけれどとにかく鳥肌しかたたない!っていうかあなた妻子持ちでしょ!!向こうで寝ている他のみんなが気がついてくれるように必死で「NO!!!NO!!!」と訴えるもみんなお酒の力で深い深い眠りの中…。絶望的な気持ちになりながら、必死で振り切って、コートと手袋とマフラーをひっつかんでチャイハナの外へ。いつのまにか外は真っ暗になっていて、燃え続けるガスクレーターの上空の東の空がぼんやりと明るくなっていました。

     

    ●絶景で絶叫

    チャイハナからオーナーが追ってこないことを確かめつつ、もう暗い中戻るのも嫌なので、本来の目的であったガスクレーターまで歩き出すと、後ろから誰かが追いかけてくる!!もうやめて!!びっくりして逃げようとするも追いつかれてしまいました。恐る恐る後ろを振り返ると、オーナーではなくて今度は、通りすがりのカップル。ガスクレーターに行きたいんでしょ?うちの車に乗っていきなよ!!って言ってくれたものの、相当酔っているようでした。この車に乗ったら、本当に地獄の門に落ちる!と思って丁重にお断りしました。それに彼氏さん、あなたがわたしを追いかけてきて捕まえた瞬間、どさくさに紛れてお尻を触ってきたの、気がついてましたよ。なんなんだ、今日は。とにかくほっといてください。とひとりで2時間、トボトボ歩いて辿り着いたガスクレーターは確かに絶景でした。40年以上燃え続けているという、その穴に向かってわたしは思わず叫びました。

    「男なんて嫌いだああああああ」

    轟々と音を立てて熱風を巻き上げながら燃えるそのガスクレーターに、わたしの絶叫は力なく吸い込まれていきました。