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【元風俗嬢が語る男と女】社会に適合できない風俗嬢たち

  • 2015年08月06日  本田 あい  



    お客様に「なぜ風俗嬢になったの?」と尋ねられることがよくあるのですが、この質問をすると風俗嬢のテンションが確実に下がります。
    もちろん仕事ですからニコリと笑い、心象良くするために「借金がある」「お金を稼ぎたくて」「いろんな男性としたい」という“ありがち”な理由を話すのですが…風俗嬢が“風俗嬢”になった理由には「社会に適合できなかった」という悲しい事実が存在するのです。
     
     
    出会った人すべてに「風俗嬢をしています」と名乗るワケではありませんが、夜の世界に慣れている人相手だと、つい職業を話してしまうことがあります。そんなとき「なぜ風俗嬢になったの?」と問われることがよくありました。風俗嬢同士でも「なぜこの世界へ?」と酒のつまみに語り合うことがあるのですが、「社会不適合者だから」という女性が多いような気がします。
     
    ★「カフェで働いてたんだけど朝起きれなくて、遅刻ばかり。夜なら平気なのに」
    ★「1〜10までやることを決めらていた会社が苦手だった。頑張った結果、ウツになって辞めた」
    ★「1時間働いて800円。そんなの私にはふさわしくない」
    ★「考え方が上司や同僚と違いすぎて、いじめられていた」
     
    こういった言葉が誰かの口から飛び出るたび「わかる!」「私にソックリ!」と共感の声があがります。“普通の仕事”をしているときは誰にも理解されなかったことがすべて、風俗店では共感してもらえるのです。
     
     
    ■風俗嬢は“普通に働く”ことがニガテ?
     
    社会不適合者という言葉を聞いたことがあるでしょうか? キチンとした定義はないようですが、一般社会で“普通”とされている生活をおくることが困難で、会社でも家庭でも恋愛面でもうまくいかないという人が多いようです。
     
    私は風俗嬢をする前、3か月間だけ“普通のバイト”をしていたことがあります。なぜすぐに辞めてしまったのかというと、“普通の仕事”をするのが非常に困難だったからです。
    一番致命的だったのは、目覚まし時計や携帯のアラームをいくらセットしても起きられないことでしょうか。夜の仕事では1度も遅刻したことがないのに、なぜか“朝だけ”は起きられないのです…。また、いつまで経ってもメニューと金額を覚えられず、仕事が出来ないクセに生意気にも「効率が悪い」「こうしたらもっと上手く行くのに」と思っていました。そんな考えだから、当然上司を尊敬することもなく、「私にはもっと適した仕事があるハズ!」と高慢なことを考えていたり。あぁ、思い出すだけで恥ずかしいです…(笑)
    それも若気の至りと言えれば良いのですが、いくつか年を重ねた現在も朝起きることがニガテです。学生時代の友達はスーパーでパートとして働いたり、介護士の資格を取得したりと意欲的ですが、私にはどうも“普通に働く自信”がないまま。でも元風俗嬢友達は私と似たような『行き当たりばったり』な生活をしている人が多いので、少しホッとしているんですよ。
     
     
    ■“普通の恋愛”もニガテ…な風俗嬢
     
    ちゃんとした段階を踏んで交際に至ることがニガテな風俗嬢たち。「もう半年も体の関係が続いているんだけど、私と彼ってセフレだと思う? カレカノだと思う?」と本気で悩んでいる風俗嬢、たくさん知っています。2人きりのデートを重ね、告白の後にキスをして…という順序で交際が進んでいくカップルには、まず考えられない悩みでしょう。
    そもそもなぜ出会ってすぐ体を重ねてしまうのか? という疑問をぶつけた際、「好きになる前に、体の相性の良し悪しを知りたい」「包茎だったら愛せないから確認しておきたい」という肉食系の言葉が返ってくるのですから、まぁ…“普通の恋愛”は出来ないような気がします。
     
    また、結婚をしても離婚する夫婦がたくさんいます。バツ3で4度目の結婚を考えている元風俗嬢友達がいるのですが、両親は「恥ずかしいからいい加減にして!」と言っているそう。友達は「結婚はめでたいこと。何が悪いのかわからない」と言っていますし、私も「結婚したいと思える男性に、4度も出会えていいなぁ」と思います。一応、私も彼女もご両親が『恥ずかしい!』と思う気持ちは理解できているのですが…、近いうちに彼女は4度目の結婚をするでしょう。
     
     
    ■最後に
     
    『普通の仕事に就けない』『恋愛に発展する前にアレのチェック』『4度目の結婚』。こういう生活や恋愛をしてしまう風俗嬢は、社会に適合しているとは言い難いでしょう。「社会に適合して生活している風俗嬢もいると思うよ!」といったご意見もあるかもしれませんが、“普通の考え”を持っていれば、「借金しちゃった! 風俗で働いて返そう」という考えにはならないと思いますし、そもそも借金などしないのです。――かといって、そんな自分に悩んでいない風俗嬢はおらず、みんな「なぜ私はこうなんだろう?」と苦しみもがいている。「なぜ風俗嬢になったの?」とお客様に尋ねられるのを嫌う風俗嬢が多いのも、こういった苦しい背景があるからだと私は思います。